<h2 id="チルダ展開">チルダ展開<a aria-hidden="true" tabindex="-1" href="#チルダ展開"></a></h2>
<code>~</code>をコマンド引数に渡すとホームディレクトリのパスに変換されます。
<div class="remark-highlight"><pre class="language-shell"><code class="language-shell">$ cd ~
# は Mac を使用している場合は以下に変換されます
$ cd /Users/myname
</code></pre></div>
<h2 id="パス名展開">パス名展開<a aria-hidden="true" tabindex="-1" href="#パス名展開"></a></h2>
例えば <code>ls</code> コマンドは複数のファイル及びディレクトリをコマンド引数に渡せます。
ls コマンドは渡されたディレクトリの中に何があるかとか、ファイルの権限を確認するときに使われます。
複数ディレクトリを渡した場合の例
<div class="remark-highlight"><pre class="language-shell"><code class="language-shell"># Mac を使用していて今ホームディレクトリにいるとします。
$ ls Movies Music

# Movies:
# TV
# 
# Music:
# Music
</code></pre></div>
また、ファイル名を渡すと、そのファイルがあればその名前を持つファイル名を表示します。
この時、例えば、a から始まるファイル名で絞りたい。.html の拡張子を持ったファイル名だけに絞りたい。といったことができます。
そういった時に、<code>パス名展開</code>が使えます。
<div class="remark-highlight"><pre class="language-shell"><code class="language-shell"># a から始まるファイルを表示する
$ ls a*

# .html の拡張子を持つファイルのみ表示する
$ ls *.html 
</code></pre></div>
コピーする時にも使えます。
<div class="remark-highlight"><pre class="language-shell"><code class="language-shell"># target1, target2, target3 を最後の引数 dir にコピー
$ cp target1 target2 target3 dir

# パス名展開を使ってコピー
# targetから始まるファイルを dir にコピー
$ cp target* dir
</code></pre></div>
また、この時使える記号として以下があります。
<ul>
<li><code>*</code>: ワイルドカード</li>
<li><code>?</code>: 任意の1文字</li>
</ul>
これは<code>条件に当てはまるファイル名を複数、コマンドライン引数に渡す</code>ので
<div class="remark-highlight"><pre class="language-shell"><code class="language-shell"># 間違い
$ find . -name *.py
</code></pre></div>
上の例は間違いです。-name オプションに複数ファイルを渡してしまっています。
-name オプションに渡せる値は1つです。<code>*.py</code>を1つの値として find コマンドの -name オプションに渡す必要があります。
このような時は<code>パス展開をさせないで対象ファイルを渡す</code>必要があります。
パス展開させないためには<code>''</code>でエスケープさせる必要があります。
<div class="remark-highlight"><pre class="language-shell"><code class="language-shell"># -name オプションの値の渡し方の正解
$ find . -name '*.py'
</code></pre></div>
とすると find コマンドは複数の引数を受け取るのではなく、<code>'*.py'</code>として受け取ってそれで検索します。
このようにメタ文字を使う時はシングルクォートで囲わないとパス展開されて、複数のファイルが引数に渡されてしまうので、パス展開をさせずに渡すためにはシングルクォートで囲みます。
<h2 id="ブレース展開">ブレース展開<a aria-hidden="true" tabindex="-1" href="#ブレース展開"></a></h2>
<code>ブレース展開</code>は、コマンド入力で複数の文字列を生成する機能です。ブレース（<code>{}</code>）の中に、カンマで区切った複数の要素を記述することで、それぞれの要素を使って新たな文字列を生成します。
<h3 id="ブレース展開の基本的な使用方法と例">ブレース展開の基本的な使用方法と例<a aria-hidden="true" tabindex="-1" href="#ブレース展開の基本的な使用方法と例"></a></h3>
<ol>
<li>
基本的なブレース展開：
<div class="remark-highlight"><pre class="language-bash"><code class="language-bash">echo file{1,2,3}.txt
</code></pre></div>
上記のコマンドは、<code>file1.txt file2.txt file3.txt</code> と出力します。<code>{1,2,3}</code> によって、それぞれの数字を含む <code>file.txt</code> という形式の文字列が生成されます。
</li>
<li>
範囲を指定したブレース展開：
<div class="remark-highlight"><pre class="language-bash"><code class="language-bash">echo file{1..5}.txt
</code></pre></div>
上記のコマンドは、<code>file1.txt file2.txt file3.txt file4.txt file5.txt</code> と出力します。<code>{1..5}</code> によって、指定した範囲の数字を含む <code>file.txt</code> という形式の文字列が生成されます。
</li>
<li>
文字列のリストを使用したブレース展開：
<div class="remark-highlight"><pre class="language-bash"><code class="language-bash">echo {apple,banana,orange}.txt
</code></pre></div>
上記のコマンドは、<code>apple.txt banana.txt orange.txt</code> と出力します。 <code>{apple,banana,orange}</code> によって、それぞれのフルーツの名前を含む <code>.txt</code> という形式の文字列が生成されます。
</li>
</ol>
ブレース展開は、ファイル名やディレクトリ名を一度に生成したり、コマンドラインで繰り返し作業を行う場合に非常に便利です。